相手に大きな決断をしてもらいたいのに、
なかなか決断してもらえない。
そんな悩みをお持ちではありませんか?
そのような時には、「ドア・イン・ザ・フェイス」というスキルを、
使ってみてはいかがでしょうか。
目次
ドアインザフェイスとは最初に断らせること
「ドア・イン・ザ・フェイス」とは、譲歩的要請法とも呼ばれます。
正式名称は「シャット・ザ・ドア・イン・ザ・フェイス」といって、
門前払いするという意味です。
最初に断られる前提で大きな要求を伝えた後、
本当の狙いだった小さな目的を承認してもらう、
というスキルになります。
これは「返報性の原理」という心理を利用したものになります。
この手法の効果を確認する実験が、
心理学者のチャルディーニという方によって行われました。
学生に対して、ボランティアを装い、2つのお願いを順番にします。
1.「2年間にわたり毎週2時間、非行少年のカウンセラーをやってほしい」
2.「2時間ほど非行少年を動物園に連れて行ってほしい」
結果は、1をお願いした場合は、全員から拒否されました。
2をお願いした場合は、17%が引き受けてくれています。
1または2を選んでもらうようにすると、
25.0%が2を引き受けてくれました。
そして、1をお願いして断られた後、2をお願いしてみると、
50.0%が承諾しました。
ちなみに、2をお願いして断られた後、1をお願いした場合でも、
なんと16.7%が承諾しています。
このように、お願いを断ることによる罪悪感を生じさせ、
こちらに対して「借り」を作ったように感じさせることで、
本当のお願いを受け入れやすい状態にしていくスキルになります。
ドアインザフェイスの基本
「ドア・イン・ザ・フェイス」を使うにあたって、守るべきルールが2つあります。
1つ目は、十分な信頼関係を構築しておくことです。
本来の依頼内容に対して、信頼関係が不十分であれば、
冷静に判断されてしまいます。
一発逆転できるようなスキルではありません。
2つ目は、最初のお願いについて、
ギリギリ断られるような内容にすることです。
明らかに受け入れられないような無理なお願いをしてしまうと、
「一貫性の原理」が働いてしまい、その後も断られてしまいます。
見極めが難しい場合、3段階や4段階まで考えておくと良いでしょう。
ドアインザフェイスの注意点
「ドア・イン・ザ・フェイス」が効きやすい相手、効きにくい相手があります。
効きやすい相手とは、「返報性の原理」が働きやすい相手のことで、
罪悪感を感じやすいような、真面目な人などです。
また、ノリの良いタイプには、
テンポ良く切り返されること自体が、
楽しめてしまうので、意外と効果があります。
反対に、効きにくい相手とは、
イメージを大切にするような相手のことです。
「最初のお願いを断らなくてはいけないカッコ悪い自分」
「難度を下げたお願いなら受け入れることができるダサイ自分」
そんな自分を許せないため、全てのお願いを断ろうとしてしまいます。
まとめ
「ドア・イン・ザ・フェイス」は、
相手に大きな決断をしてもらうためのスキルになります。
十分な信頼関係を構築した上で、最後の一押しが必要な場合に、
ぜひ使ってみてください。
この記事へのコメントはありません。