「自分の意見や気持ちを伝えることができない」
「自分の頼みを断られると嫌な気持ちになる」
こんな風にモヤモヤした思いを感じながら、
日々を過ごしている方も多いと思います。
それは、「アサーション」を学ぶことで解消できます。
目次
アサーション
「アサーション」とは、自分も相手も大切にする自己表現のことで、
アメリカで生まれたコミュニケーションの考え方と方法になります。
「アサーション」を学ぶ必要がある人というのは、
・自己表現が苦手な人
・自己表現を自由にさせない人
・他者の自己表現を邪魔する人
全てが対象となるのです。
「アサーション」では、自己表現には3つのスタイルがあります。
1つ目は、「攻撃的自己表現」というもので、
頼みごとを断られた場合に、不愉快さを態度に出したり、
強引に押し付けたり命令したりしてしまうことを言います。
2つ目は、「非主張的自己表現」というもので、
自分の気持ちを押さえ込んで言いなりになったり、
相手に頼めることも頼まなかったりすることを言います。
3つ目は、「アサーティブ」というもので、
互いの気持ちを伝え合い、譲り合うことを大切にします。
「アサーティブ」の2ステップ
「アサーティブ」な自己表現をおこなうには、2つのステップがあります。
最初のステップは、自分の気持ちをはっきりさせることです。
自分がどのように感じたかをはっきりさせることで、
自分を大切にすることを考えるのです。
次のステップでは、自分の気持ちを相手に伝えるべきかを考えることです。
常に自分の気持ちを相手に伝えることばかり考えていては、
相手を大切にすることまで考えることはできません。
伝えることで自分も相手も大切にできると考えたのであれば、
それは「アサーティブ」な自己表現になりますので、
状況に相応しい表現で伝えましょう。
この時、相手がどのような反応をするのか、しっかり見届けましょう。
相手の反応を無視してしまうようでは、「攻撃的自己表現」になってしまいます。
自分の気持ちを受け入れてもらえるかどうかは、
あくまでも相手次第であり、相手も自己表現する権利があります。
互いが自己表現を繰り返していき、理解を深め合うことこそが、
コミュニケーションであると言えるのです。
アサーションする権利
「アサーション」には自己信頼が必要になります。
「自分は素直に助けを求めてもいいんだ」という自信のことです。
このような自信がない状態では、素直に助けを求める代わりに、
嫌味を言ったり命令したり、酷いときには「いじめ」にまで発展してしまいます。
あるいは、助けを求めることをせず、自分一人で苦しむことになるでしょう。
「アサーション」とは人権のひとつであり、世界人権宣言においても、
「すべての人は、意見を持ちそれを表明する自由に対する権利を有する」
と明確に宣言されています。
「アサーション」に関する権利は100以上もありますが、
重要なものを2つ挙げておきます。
1つ目は、「私たちは誰もが自分らしくあってよい」というものです。
自分は自分らしく、相手も相手らしく、違いがあっても良いという権利であり、
互いの個性を理解して尊重するという考え方になります。
2つ目は、「人は誰でも自分の気持ちや考え方を表現してよい」というものです。
表現はしても良いのですが、いつでも要求に応えられるとは限りません。
このような時こそ、互いの気持ちを伝え合い、
理解し合おうと歩み寄る姿勢が大切になってくるのです。
まとめ
「アサーション」とは、自分の自己表現を大切にし、相手の自己表現も尊重し、
葛藤が起きた場合には一緒に乗り越えることが非常に重要になります。
そして互いの気持ちを伝え合う中で、自分の考えや意見は変えても良いのです。
お互いを理解しようとする精神を大切にし、
歩み寄ることを諦めない気持ちこそが「アサーション」なのです。
この記事へのコメントはありません。