「常にイライラしている」
「ずっとクヨクヨしている」
「いつも不安を感じている」
こんな風に、感情に振り回されている人はきっと多いでしょう。
このような場合、「感情のラベリング」と「感情の輪」を理解していると、
感情を和らげ、ストレスを低減させることができるようになります。
目次
感情のラベリング
感情とは、無意識に生じた曖昧な心理、心の動きのことです。
曖昧な事象のため、コントロールしにくく、
結果として振り回されやすくなっているのです。
そこで、感情に名前を与えることで、
意識の領域に移動させることができるようになります。
これを心理学で「感情のラベリング」と言います。
ラベリングによって無意識から意識の領域に移動させると、
理性が働くようになり、解消方法について冷静に考えることができるのです。
しかし、「ラベリングなんて難しい!」と感じる方もいることでしょう。
そのためには、「感情の輪」という理論を理解しておくことが助けになります。
感情の輪
「感情の輪」とは、アメリカの心理学者プルチック氏が提唱した、
色と逆円錐形で感情の分類を表現したモデルのことです。
逆円錐形の展開図が輪に見えることから名づけられ、
まるで色を混ぜるように、感情を混ぜることで、
別の感情が表現できるという特徴があります。
まず、8つの基本感情を輪のように並べると、時計周りの順に、
「喜び」
「信頼」
「恐れ」
「驚き」
「悲しみ」
「嫌悪」
「怒り」
「期待」
となります。
この時、「喜び」を12時の位置だとすると、「悲しみ」が6時の位置です。
このように、8つの基本感情には相互関係もあります。
「喜び」←→「悲しみ」
「信頼」←→「嫌悪」
「恐れ」←→「怒り」
「驚き」←→「期待」
対になっている感情には、簡単には移行しないのです。
さらに、感情の強弱を色の濃淡で表現しており、
強>弱の順に以下のようになります。
「恍惚」 > 「喜び」 > 「平穏」
「敬愛」 > 「信頼」 > 「容認」
「恐怖」 > 「恐れ」 > 「不安」
「驚嘆」 > 「驚き」 > 「放心」
「悲嘆」 > 「悲しみ」> 「哀愁」
「強い嫌悪」> 「嫌悪」 > 「うんざり」
「激怒」 > 「怒り」 > 「苛立ち」
「警戒」 > 「期待」 > 「関心」
弱い感情は、隣り合う感情との区別が難しいことが多いです。
この8つの基本感情を組み合わせると、
さらなる感情を定義することが可能になります。
・隣り合う2つの基本感情の組み合わせ
・1つおきの基本感情の組み合わせ
・2つおきの基本感情の組み合わせ
などが考えられるでしょう。
まとめ
感情に支配されてしまったとき、無理やり方向転換するのではなく、
まずは感情を和らげることが大切です。
自分の中のもやもやした思いが、どのような基本感情で構成されているか、
そしてどれくらいの強さなのかを考えてみると、感情に振り回されることも、
ずっと減らせるようになります。
感情はとても強いエネルギーを持っているので、押し殺すのでもなく、
切り離すのでもなく、上手に活用して生きるための原動力にしたいですね。
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