「好きになったけど報われない」
「好き過ぎて苦しい」
「姿を見ただけで、モヤモヤする相手がいる」
そんな時、嫉妬を感じてはいないでしょうか?
嫉妬は、誠実な人間関係を築くための大切な感情です。
目次
恋愛と信頼と嫉妬の関係
恋愛関係では、やきもちや嫉妬といった感情が必ず出てきます。
もし、そういった感情が湧かないのであれば、
それは相手のことを本当には信頼していない可能性が高いでしょう。
嫉妬というのは、いくつかの感情が複雑に絡み合ったものです。
・裏切られたという「怒り」
・相手を失うという「悲しみ」
・社会的な損失に対する「恐れ」
こういった感情は、人間関係における「信頼」が関わっています。
恋愛における「信頼」とは、
・感情面、経済面などの利益やコスト
・短期的あるいは長期的な利益やコスト
などの要素を、無意識に予測していることです。
この予測が崩れること、すなわち、
相手が不誠実な行動を取っていると感じ、
自分の損失が大きくなると予測した時。
相手の態度を改めさせようとする心の働きが、
「嫉妬」という感情として表れるのです。
嫉妬は恋愛の危機に反応する
イェール大学でこんな実験が行われました。
恋人がいる被験者に対して、次の2つの質問をします。
・自分がパートナーから評価されているポイントは何か
・パートナーがどのような人物から誘惑されそうな時に、最も強く嫉妬を感じるか
その結果、どちらの回答も同じ様な性質になることが分かりました。
つまり、自分は恋人から「知性」で評価されていると回答した人物は、
ライバルが自分よりも高い「知性」を有している時に、
最も強く嫉妬を感じると回答したのです。
このことから、嫉妬による不安は、
ライバルに恋人を奪われそうになった時に生じることが分かりました。
そして、奪われないように、あるいは取り戻すために、
手遅れにならないうちに行動を起こすよう働きかけてくれます。
嫉妬が恋愛を強化する
心理学者のサンドラ・マレーの研究によると、
嫉妬には、相手と絆を結んで信頼を育みたいという願望を、
強める働きがあることが分かりました。
根拠となる実験は、200組以上の新婚カップルの協力を得て、
日々の経験を数週間にわたって記録したものです。
パートナーの関心が自分とは別の人に向けられていると感じた時、
・相手が失くした物を探す
・壊した物を修理する
・好きな食事を作る
など、相手が自分をもっと頼りにされるように行動を変えました。
つまり、危機の初期段階では、
相手にとってかけがえのない存在になろうと努力したのです。
嫉妬が求める誠実さ
さらに、嫉妬は現在の恋愛だけでなく、将来の恋愛に対しても働きます。
心理学者のデイヴィッド・デステノによる実験では、
知り合って数分の男女の間でも、嫉妬の感情が確認されました。
さらには、裏切ったとみなした相手に対して、
罰を与えようとする傾向が見られたのです。
これは、行動経済学における「第三者罰」と呼ばれるもので、
ルールを破る者の処罰を多くの人が心がけていれば、
悪事を働く者は減っていくという考え方になります。
これが機能していれば、自分が次に出会う恋人は、
不誠実な態度を取る可能性は限りなく低くなっていることでしょう。
嫉妬がもたらす恋愛のダークサイド
だからといって、過度な罰や仕返しが容認されるわけにはいきません。
嫉妬は非常に強い感情であるだけに、
罰や仕返しもエスカレートしやすい傾向にあります。
仕組みを知る事によって、
このような行き過ぎた行動を抑えるきっかけとして、
ぜひ活用していただきたいです。
まとめ
嫉妬は、複雑な感情になります。
それは、誠実な人間関係を築くために、
私たちの行動を促してくれる、大切な感情です。
ぜひ、自分の心と向き合ってみてください。
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